Need for Speed™ Payback

「Need For Speed Payback」は「Need For Speed」シリーズの伝統的な方式を踏襲しており、「Forza」シリーズのようなシミュレーションモデルではなく、アクション性の高いスリルを重視したハイオクレーシングを体験することができます。映画「ワイルド・スピード」シリーズのファンなら、違和感なく楽しめるでしょう。このアーケードレーサーでは、それぞれに特化した3人のキャラクターの1人としてプレイし、街のストリートレース界の頂点に立つことができます。ストーリー自体は、グラインドハウス系レース映画からインスピレーションを得た、愛すべきチープなものですが、真骨頂はゲームプレイ自体にあります。

「Need For Speed」シリーズ、特に「Need For Speed Underground」シリーズのゲームをプレイしたことがある人なら、ゲームに慣れるのに苦労することはないでしょう。登場するクルマの種類は豊富で、クラシックなアメリカンホットロッドから軽快な日本のストリートレーサーまで、あらゆるクルマが登場します。大手メーカーの車種を多数取り揃えた印象的なセレクションですが、徹底的な本物志向はこのゲームにはありません。ほとんどのクルマはコントロールが異なるとはいえ、チューニングのあらゆる面をコントロールできるシミュレーションではなく、現実とまったく同じように走らせることはできません。その代わり、楽しさが最優先され、どんなに重いクルマでも、どこかマンガのような重さでねじり、曲がっていきます。ドリフトや急旋回も、人工知能との駆け引きと同様、成功への期待です。車群に囲まれながらドリフトするのがいかに楽しいかを考えれば、これはバグではなく特徴です。

しかし、このようなことはごく当たり前です。人工知能は特筆すべきものではありませんが、そうである必要はありません。100万ドルのスポーツカーを再現して操作するスリルは目に見えるものであり、Electronic Artsはプレイを続けるためのインセンティブを十分に用意しています。プログレッションシステムでは、レースでお金を稼ぎ、この通貨を使って既存の車を改良したり、新しい車と交換したりすることができます。新車購入時の高額な費用と、新車でも戦力にできることから、このやり取りにイライラすることもあるが、富を築くためのミッションに不足はありません。マップは見事に大規模かつ多様です。各ミッションには評価システムが設定されているので、自分がどの程度の装備で挑んでいるのかがよくわかります。アーケードレースゲームの新しいイテレーションを求めるファンにとって、本作の操作性は非常に堅実ですが、革命的な発展というよりは、「Need For Speed」のフォーミュラを反復的に前進させたような印象を受けます。